子どもの学力は3歳までの家庭教育次第!?

2014.07.16

  • くらし
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幼児教室「母と子のオムニパーク」を主宰する福岡潤子先生のインタビュー第二回は、幼児期に身につけたい“学ぶ力”についてお届けします。子どもを立派に育てたいと思っているお母さんは、早期教育に興味を持ちますよね。もちろん語学や音楽を学んだりするのもひとつの選択肢ですが、福岡先生は「まず“学ぶ力そのものを育ててあげることが大事」だとおっしゃいます。将来のために、この時期だからこそ身につけておきたい“学ぶ力”とは?

脳の基礎は3歳までに作られる

子どもの土台を作るのは、早期教育ではない!?

「『三つ子の魂百まで』ということわざがありますが、私も常々そう思っています。三つ子というのは昔でいう数え年なので、今でいう満二歳。2〜3歳までに身に付けたことが、その子の土台となっていきます。脳神経外科の世界的な権威でいらっしゃる上山博康先生も、『脳の発達の基礎は3歳までに、完成するのは7~8歳』とおっしゃっています。つまり、小学校に入る頃には、“土台”が出来上がる。その土台づくりにいちばん大きな影響を与えるのが、前回もお話したように人的環境であるお母さんです。お母さんとのコミュニケーションや日々の家庭生活によって、子どもの土台が作られていきます」

誰もが学ぶ力を持って生まれてくる

「脳の基礎が作られる3歳までの間に一番大切なのは、子どもの学ぶ力をアップしてあげること。0歳のうちから英語や楽器を習うことよりも、“学ぶ力”そのものを底上げしてあげることを私はオススメしています。人間は、生まれながらにして学ぶ力を持っています。生後すぐの赤ちゃんでも、お母さんが舌を出したり入れたりすると、じーっと見て真似をしますよね。本来であれば伸びていくはずの学ぶ力も、0〜3歳までの親子関係によっては、残念ながらどんどん低下してしまいます」

学ぶ力を伸ばすには?

“お世話”ではなく、“援助”を

「小さいうちは、身の回りのことも遊びもまだ一人ではできないので、大人の援助、つまりサポートを必要とします。子どもは、そのサポートによって学ぶ力をつけていくのですが、お母さん方はサポートというものを勘違いしていて、“お世話”をしているケースが多いんですね。たとえば、我が子が上手に積み木を積み上げられなかったとしたら、子どもの手を持って『こうやって積むのよ』と言いながら、ほとんどお母さんが積んでしまう。子どもの持ち方が悪いと、『持ち方が違うわよ』と注意し、持ち替えさせたりする。すると、その子は母親が隣にいるときは上手に積み上げることができるけれど、一人の力では積み上げられるようにならない、そもそも積み上げようという意欲が起きないという事態に陥ります。これが“お世話”の典型的な例ですね。子どもの学ぶ力を伸ばすには、お世話ではなくサポートが必要なのです」

モチベーションを高めてあげる

「では、先ほど例として上げた積み木のやりとりの場合、どうサポートしてあげるといいのでしょう。まずは、積み木を積み上げることは楽しいということを知らせてあげることが大事です。小さい子の場合、積み上げる楽しさよりも、壊すことの楽しさのほうが大きいんですね。だからお母さんが積み木を積み上げて、『ママ怪獣が来たよ、エイ!』などと言って積み木をガシャガシャっと崩したら、きっと子どもは目を輝かせ、『自分もやりたい!』となります。けれど、崩れてしまったからやりたくてもできない。『じゃあ、ママと一緒に積み上げてみる?そしたら、Aちゃんもエイ!ってできるよね』。などと言ってモチベーションを高めてあげると、子どもは『やる!』となります。一方、『ここに載せてごらん。ほら面白いよ』『高く積めるとお山みたいになるよ』などといくら言っても、子どものやる気はアップしません。まずは子どもにそれをやることの面白さを伝えてあげてください」

一人でできるよう、言葉でサポート

「いざ、積み上げるとなったとき、小さい子の場合、まだ指先が器用ではないので途中で崩れてしまいますよね。そういうときは、『よく見てごらん。ここにとんがりさん(四角)あるよね?』と積み木の角を見せて、『Aちゃんのお手々に持ってるとんがりさん、どこにある?とんがりさんととんがりさんを同じところに置いてみようか』と言って、角を意識させます。すると、角を揃えて置くということを学びます。それから、『そっとそっと置いてごらん』と言ってあげると子どもは、『そっとって、どう置くんだろう』などと自分で考えながら置くようになります。うまくできたときには、『上手にできたね』などと言ってあげると、『今こうおいたら上手って言ってもらえたから、こういうふうに置くんだ』と自分でどんどん学習していきます。先ほど申し挙げたように、子どもの手を持って一緒になって置くのではなく、子どもが自分で考えて、成長発達できるよう促してあげることで、学習する力がアップしていくのです」

成長段階に沿った課題を与える

「子どもは日々成長し変化しているので、いかにその時々のレベルに合った環境や課題を用意してあげられるかが学習する力をアップさせる鍵なんですね。その子が当然できるような簡単なものでは意味がないですし、難しすぎてもいけません。私はよくこの事を筋力トレーニングに例えるのですが、たとえばレベル5の筋力の人に5のバーベルを持たせてもトレーニングになりません。かといって、8や10のバーベルをいきなり持たせると筋肉が断裂し、しばらくしても回復せず、ひどい場合には病院で診てもらわないといけません。けれど、5の筋力の人に3〜7ぐらいの負荷をかけると筋肉が良い具合に断裂し、人はそれを修復しようとするときに一段階筋力がアップします。子どもの能力も筋力と同じ、適度な負荷をかけることによってどんどん成長発達するのです。それぞれの段階に沿った課題を与えるには、まず我が子の成長をしっかり観察する必要があります。日々の成長をしっかり見守ってくださいね」

次週は、幼児期に身に付けておきたいもう一つのことについてお伝えします。人としての基礎ができあがるこの時期に、「人としてやっていいこと、悪いことを理解することはとても大切」、と福岡先生はおっしゃいます。「叱る」とはどういうこと?しつけにお悩みのお母さん、目からうろこの答えが待っています!

文:孫 奈美